2019年活動報告


2019/12/23
廣瀬重夫先生ご逝去、87歳

 30年近く、海浜植物はもちろん一般植物についてまで広くご指導頂きました。
 先生ありがとうございました。心より感謝申し上げ、ご冥福をお祈り致します。


2019/11/16(土)12時~16時 神戸市環境局主催 第6回生物多様性シンポジウム
「子どもたちにキレイな海を残すためにできること
   ―意外と身近なプラスチック問題!―」@御影公会堂ホール

須磨FRSネット経由でポスターセッションに参加しないかとの打診があり、
FRSからは「NPOこうべ海さくら」と共に出展、
世話人1名がポスター2枚の原版作成と当日解説担当、他に世話人3名と会員1名が当日聴講
基調講演は大商大原田准教授「未来のために知っておきたい海とプラスチックの話」
その後パネルディスカッション
尚、ポスター及び展示物を下に示します。


2019/11/9(土)9時~16時 須磨FRSネット主催 須磨の自然をたずねるウォーキング
世話人2名がスタッフ参加


2019/6/26
 6/13、駅東海岸(野村病院南)に自生していたハマウドが消滅していることに、通り掛かったS世話人が気付き、下記文章を神戸市担当部局に提出した。

尚、ここでは下記文中の添付資料の写真は掲載していない。叉、7/12現在市より回答は来ていない。

 

        >>以下転記>>

 

                             2019年6月26日

神戸市港湾局工務・防災部海岸防災課海岸管理係

係長 岸田貴久様

 

                                               すまはまの会 代表世話人   

                   [担当窓口]S  

                            

須磨海浜緑地内のハマウドが切除された事案に関する照会

謹啓 向暑の候、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。

 平素より当会活動にご理解ご協力をたまわり、まことに有難うございます。

 さて、標記の事案に関しまして、あらためて書面に写真資料を添えてご照会させていただきますので、よろしくご検証、ご確認くださいますようお願い申し上げる次第です。

1.事案の経緯

私たち「すま・はまの会」は1994年以来、須磨の海浜に自生する海浜植物の多くが開花期を迎える5月に観察会を開き、自生環境の経年変化を観察・記録しながら保全策の必要性を参加者や関係各方面に訴えてきました。今年も5月12日に28名の参加を得て、JR須磨駅南側の浜から西へ、一の谷川河口部の海浜植物群生地(サンクチュアリ)までの400mほどを徒歩で移動し、海浜性の植物16種を含む総数52種の植物を確認しました。また観察会当日に出向けなかった海浜についても世話人だけで実施しており、21日に一の谷川河口部以西を、29日にもJR須磨駅以東の海浜植生を観察・記録しました。

須磨浦通2丁目地先の緑地内の植栽の中にハマウドが自生していることは2010年ごろ、私たちを指導してこられた廣瀬重夫先生から知らされており、以来その成長ぶりを観察・記録し続けてきました。29日の調査の際にも、例年よりやや遅めながら元気に新芽を吹き、若葉を茂らせている様子を確認しています。(添付写真資料5~6ページ

ところが、6月13日(木)夕刻、別件の写真撮影のため須磨海岸を訪れ、ハマウドの前を通り過ぎた際、そこにあるべきものが見当たりませんでした。とり急ぎ「この辺りだったはず」と背後の樹木や建物などで山立てをして探しましたが、茎や葉ばかりか、切り株すら見つかりません。持参したカメラで大まかな状況を撮影(添付写真資料7~8ページ)してから須磨海岸の旧和田岬灯台南側にある港湾局の海岸管理詰所に駆け込み、居合わせた杠(ゆずりは)さんという管理員に、ハマウドという植物がどうやら緑地植栽の剪定・刈込作業によって刈り取られてしまった可能性が高いことを伝え、本庁の港湾局工務・防災部海岸管理の岸田係長に必ず連絡していただくようお願いしました。念のため現地まで同行していただき、現況確認もしていただきました。

 2、問題の整理

翌14日(金)、岸田係長から電話があり、お示しいただいた電話番号に連絡し、緑地植栽の剪定・刈込作業にあたった業者の方から直接、作業の手順や着手時の状況等についてお話を伺うことができました。業者の方の説明によれば、

①現地(須磨浦通2丁目地先、野村海浜病院の南西側に位置する緑地の一画)のシャリンバイの植栽の中に海浜植物のハマウドが自生しており、刈り取らずに残しておくように、という指示は受けていた。

②ところが作業当日、現地にはそのような植物は生えていなかったので、通常の剪定・刈り取り作業を行った。

③ハマウドが自生していると聞いていた場所の作業前、作業後の変化を確認できるような写真撮影はしていない。

 ④あの場所の作業は6月の3日から7日までの間に実施した。

 

とのことでした。業者の方は「そのような植物はなかった」と言うだけで、そのことを明確に確認できるものは何もないようでした。電話でのやりとりでは埒が開かないと判断し、後日の調査・照会に委ねることにして電話を切りました。

 5月29日の時点ではたしかに存在していたものが、その1週間後には無くなっていたということになると、5月29日の夜以降(業者の方が現地作業にかかる)6月7日までの間に、何者かが現地を訪れ、ハマウドを掘るか引き抜くかして持ち去ったことになります。

 ハマウド自体はとくに希少な植物というわけではなく、食用や薬用として珍重されることもありません。神戸市域では数年前まで舞子海岸に何株か自生していましたが、海岸防災のための護岸工事の際に消滅し、近年は須磨海岸の緑地内のシャリンバイの植え込みの中に自生する2株(2ヶ所に分かれて自生。添付写真資料では『東側の株』、『西側の株』と表記して区別)だけしかなかったのです(神戸市のレッドデータブックでは「調査中」と表記)。コレクターによる盗掘の可能性もないわけではありませんが、和歌山や淡路島などでは比較的容易に入手できることから、蓋然性は低いと言わざるを得ません。

このことを裏づけるように、6月19日に再度、現地を精査したところ、盗掘で根こそぎ持ち去った形跡はなく、地表すれすれに草刈り機のようなものでハマウドの根元を引きちぎったと思われる痕跡が見つかっています(添付写真資料9~10ページ)。

これらから、やはり業者の方がうっかり刈り取ってしまい、過失を取り繕うために「作業にかかるときには、現場にそのような植物はなかった」と主張しているようにしか思えません。たとえ事後にであれ、当該植物がなかったことを、発注者である所管部署に報告していればまだしも、そうした形跡もなく、当方から指摘を受けてはじめて「なかった」と主張していることも容認しがたいところです。

3、吟味の意義

  今さら犯人捜しをしたところでハマウドが無傷のまま蘇生することはなく、神戸市域に自生するハマウドが人為的に絶滅させられたという事実を消し去ることはできません。やはり事実関係を明確にし、どのような経過をたどり、どのような原因でこうした事態に至ったのかを明らかにする必要があると考えます。これは、生物多様性神戸プラン推進の立場からも看過できない問題です。

 7年前にも、今回と同じようにこのハマウドが緑地内の植栽の剪定・刈込作業を委託された業者によって切除されてしまったことがありました(添付写真資料2~3ページ)。このときには、神戸市域に自生するハマウドに関する基本的な情報を私たち保護活動に携わる者が共有するだけでは駄目で、緑地を管理する所管部署やそこから委託されて剪定・刈込作業に実際にあたる業者とも共有する必要があることを学びました。たまたま根元から10㎝ほどまで刈り取られずに済んだため、すぐに新芽が生え、消滅に至らなかったことも幸いしました。毎年、新年度予算の下で同じ時期の5~6月にこうした作業が全市的に実行されており、須磨では昨年までは首尾よく連携し、うっかり切り落とす失態は回避されてきたのですが……

 同じような人為ミスを防ぐためにも、きちんと吟味し、善後策を講じるべきだと思います。所管部署の責任において関係者への聞き取り、事実確認を行い、情報の共有に努めていただけますようお願いいたします。

何とぞよろしくお取り計らいのほど、お願い申し上げます。 敬具 

 

              <<転記了<<

 

 


2019/5/18(土)10時~16時 神戸まつり須磨区祭「音楽の森」@須磨離宮公園
 ・須磨FRSネットが出展することへの支援、世話人3名、会員2名
   写真はFRSの他のグループ「よこおみち森もりの会」のHPにて


2019/5/12(日)10時~12時過ぎ 第26回 須磨浦 海浜植物 観察会
 ・世話人3名、会員2名、一般23名(近年では多い方)
 ・ガイド役のS世話人の報告を下記

JR須磨駅南側の浜から西へ向かい、西須磨船溜り北側の緩衝緑地(クロマツ林)をへて一の谷川河口部の海浜植物群生地(サンクチュアリ)まで400mほど歩いて移動し、以下の52種の植物について簡単な説明を行った。<※下線部分が海浜植物>

ハマヒルガオハマヒサカキ(植栽)、ハマダイコン、カラスノエンドウ、クスダマツメクサ、コメツブツメクサ、ハイネズ(植栽)、マツバウンラン、ノシバ、ツルナ、マメグンバイナズナ、コマツヨイグサ、メマツヨイグサ、ヘクソカズラ、ホソムギ、オオオナモミ、ニワウルシ、クコ、ハタケニラ、オッタチカタバミ、シロツメクサ、クロマツ(植栽)、アレチヌスビトハギ、メドハギ、コゴメバオトギリソウ、シロバナマンテマ、ハハコグサ、チチコグサ、チチコグサモドキ、ウラジロチチコグサ、ホソバノチチコグサモドキ(タチチチコグサ)、キヅキチチコグサ、キヌゲチチコグサ、ニワゼキショウ、ハマエンドウ、クズ、ツボミオオバコ、ヘラオオバコ、ハマボッス、カンサイタンポポ、カラスムギ、コウボウムギコウボウシバハマボウフウハマゴウハマユウセンダン、ギシギシ、ヨシ、ヒメコバンソウ、コバンソウ、オカヒジキ

 

<特記事項>

①毎年5月の第2日曜に実施する当観察会では、ハマダイコンは花期を過ぎて種子をつけていることが多かったが、今年は満開状態だった。しかも、西須磨船溜り北側の緩衝緑地とJR防潮壁の間に残された砂地のように、従来よりも奥まった陸域まで拡がって開花していた。このゾーンはクズが繁茂して他種の進入を許さなかったところだが、昨年夏~秋の台風通過時、大潮・大波で例年より奥深くまで陸域に海水が浸入した際に、水に浮くハマダイコンの種子が拡散したものと思われる。

②他方、ハマヒルガオはまだいつもの“お花畑”にはほど遠い状態だった。一の谷川河口部のサンクチュアリ内でも、昨年の台風によって打ち上げられたゴミの下敷きになり、ゴミを集約回収した重機にもふみしだかれたことで根や匍匐茎が損傷し、個々の群落の間には砂の露地が目立つ。引き続き、注意深く観察していく必要がある。

③コウボウムギ、コウボウシバ、ハマボウフウなど、砂中に深く根を張る海浜植物たちも、大波に直撃されたところでは根こそぎ巻き上げられたり、砂に埋まったりしたが、残った根は安泰なので数年後には以前の群落規模に戻るのではないか。

④オカヒジキはまだ芽生え始めなのか、数㎝の幼株がみつかっただけだが、少し遅れているだけで、去年の台風の影響はほとんどなさそう。

⑤ベルトコンベヤ機械室跡の北側、JR防潮壁の足許の砂地に自生していたハマエンドウはわずか1株の発芽しか確認できなかった。他方、西須磨船溜り北側緑地の一画で確認されているハマエンドウのほうは順調に群生していた。足場の良い観察場所としてはここだけになってしまいそうなので、十分なケア、見守りが必要だ。

⑥観察会のさなか偶然、この緑地内のクロマツの根元でハマボッスの幼株が1株だけ確認された。花芽をつけており、1ヶ月もすれば開花しそうだ。(文責/S)


2019/5/5(日)15時半~ 2019年度総会@喫茶"Joker"
 ・世話人4名
 ・2018年度決算、大澤監事より承認受け
 ・人事、変更なし
 ・現在、海浜植物観察会のボランティアガイドは櫻井世話人が一人で担当しているが、
  後継者がいないため将来が不安である。至急検討の必要性あり。


2019/5/5(日)13時~ 次週の海浜植物観察会下見
 ・世話人4名・会員1名(新入会員初お目見え)参加
 ・駅東側千守川河口まで見た後、西へ海釣り公園まで下見
 ・昨秋の台風の関連か?浜大根が相当量増えている
 ・浜払子は確認不可、浜撫子に似た個体在り
 ・サンクチュアリを囲むチェーンが昨秋の台風に破壊され、放置されている。この際一定の役目を
  果たしたと考えられるので、全面撤去も一つの手と認識。


2019/3/24(日)午後@須磨パティオホール(神戸市須磨区名谷)
第10回FRS自然環境サミットプラスチックごみから自然環境を考える】

 ・世話人2名スタッフ参加(準備作業)
 ・世話人4名、会員1名聴講
 ・S世話人活動報告(パワポ使用):昨秋の台風被害によるサンクチュアリの漂着物撤去に就いて
総計約170名が聴講